2025 年 40 巻 3 号 p. 515-525
喫煙はがん,循環器疾患,呼吸器疾患など多くの疾患と関連し,日本人の主要な回避可能な死亡要因である.喫煙者の禁煙を推進するためには,保健医療従事者による質の高い支援が不可欠であり,そのための指導者トレーニング体制の整備が求められている.本稿では,日本禁煙推進医師歯科医師連盟が開発したeラーニングプログラム「J-STOP」および後継のWEB学習プログラム「J-STOPネクスト」の開発・普及の過程とその効果を概説した.プログラムの学習により,受講者の禁煙支援・治療に必要な知識の習得に加え,態度や自信,禁煙アドバイスなどの行動においても有意な改善が確認された.累計受講者は1万人を超え,禁煙外来開設施設をはじめ,学会や自治体,保険者などでの活用が進んでいる.今後は,健診とオンライン禁煙治療を組み合わせたワンストップ型支援の仕組みを通じて,毎年の健診を通して受診者の禁煙を推進する健診システムの構築が求められている.その意味で,予防医療の推進と質の向上を目指す日本人間ドック・予防医療学会が果たす役割は大きく,そのためのアクションが期待されている.