抄録
マレーシアのマラッカ海峡並びに南シナ海に面する漁港,河口,市場で得られたハマギギ科魚類11種の頭頭蓋骨並びに耳石の形状を明らかにした.またそれらの種と関連する東シナ海に分布する3種について触れ,特にArius maculatus(Thunberg)と頭蓋骨,耳石の形状が類似するArius sinensis(Lacépède)の頭蓋骨並びに耳石を合わせて記載した.また,日本の太平洋沿岸に露出する鮮新世の海成層からA. sinensisと同定される耳石化石が産出することから現生種との地史的関係についても触れた.