討論会講演要旨
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アセナフテンとホルムアルデヒドとの反応
谷垣 禎一
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1961 年 11 巻 p. 32-33

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抄録

アゼナフテンとホルムアルデヒドとを酢酸溶媒中で硫酸を触媒として反応すると淡黄色の固型樹臆が得られる。しかしこのようなアセナフテン・ホルムアルデヒト樹脂の生成に関しては未だ研究がおこなわれてない。我々は先にこれらの樹脂についてノ生成条件の探索と樹脂の分子量分布と及応時間との関係について研究した。その結果アセナフテン・ホルムアルデヒド樹脂はほとんどが炭素と水素とからなるもので, キシレン・ホルムアルデヒド樹脂のように樹脂分子中にメチロール基ヤベンジルエーテル基きもっていないことが示され,その構造は次のようになると考えられた。
またアセナフテン・ホルムアルデヒド樹脂の主成反応はフェノール樹脂やキシレン・ホルムアルデヒド樹脂の生成と同様に考えて,+CH2O→CH2OH付加反応CH2OH+→CH2縮合反応になる。
また付加反応について、酢酸溶媒中で硫酸を融媒として用い,ホルムアルデヒドの消費量から反応速度を求めた結果,その反応速度は
N=k[F][A] A:アセナフテン, F;ホルムアルデヒド
となった。また触媒量と反応速度との関係は触媒量が0.2Nまでは触媒量の増加に比例して反応速度が増大するが、それ以上の融媒量になると反応速度は急激に増加する。このような現象は溶液の酸度函数の変化の傾向とよく一致しており,この付加及応は酸度薦数に関係するものと推定された。

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