抄録
o-クレゾール樹脂およびアセチル化o-クレゾール樹脂のθ溶媒として, それぞれo-ジクロロベンゼンおよび2-エトキシエタノールを選び, 相平衡実験からShultz-Flory法によりθ温度を求めたところ, それぞれ119.2℃および92.0℃を得た.さらに良溶媒 (THF) 中およびθ溶媒中で粘度測定を行い, Mark-Houwink-Sakurada式の指数aを決定し, 分子形状を推定した。アセチル化o-クレゾール樹脂の場合, θ溶媒中でa=0.50となったが, この樹脂には分岐が無く, フェノール性水酸基のアセチル化によって分子内水素結合も認められないことから, 非摂動鎖として挙動していることがわかる。またTHF中でa値が0.65となったのは, 排除体積効果によるものである。アセチル化前のo-クレゾール樹脂の場合は, フェノール性水酸基間の水素結合の影響で, 良溶媒中でも, θ溶媒中でもより緻密な形状となった。