抄録
尿素と芳香族アルデヒドとの反応を, 塩基性触媒の存在下, アルコール溶媒中で行った。芳香族アルデヒドとして5種類のp-置換ベルズアルデヒドを用いた。尿素と脂肪族アルデヒドとの反応ではアルキロール尿素が得られているが, この報告における実験では反応生成物はp-置換ベンジロール尿素のアルキルエーテルであった。
室温下での尿素とp-ニトロベンズアルデヒドとの反応においてのみ, p-ニトロベンジロール尿素が得られた。また, 反応の経過を薄層クロマトグラフィーにより追跡した。これらの結果から, p-置換ベンジロール尿素と反応溶媒として用いたアルコールとによるエーテル化の反応が, K+とp-置換フェニル基の電子吸引性のために, 尿素と脂肪族アルデヒドとの反応におけるよりも芳香族アルデヒドとの反応において, より生じ易いものと推定した。