1982 年 3 巻 3 号 p. 120-126
m-キシレン-ホルムアルデヒド樹脂の化学構造を13C NMRスペクトルにより解析した。種々のモデル化合物の化学シフトと樹脂スペクトルを比較することゝ, メチレングリコールを基準とした加成則の適用により, メチレン結合, メチロール基, エーテル結合を含むすべての結合ホルムアルデヒドに由来する炭素の帰属を行った。
定量測定の結果, 各構造に基づく炭素のキシレン核1モルに対するモル数が算出され, 平均化した樹脂構造の把握が可能となり数平均核体数を算出した。オキシメチレン基の分析では, X-CH2- (-OCH2-) nOCH2-Xで表わされる核間のものとX-CH2- (-OCH2-) nOCH3型のようにメチルエーテルとしてターミネーションした側鎖が確認され, それぞれにおけるオリゴオキシメチレン基の分布と平均重合度が明らかとなった。その結果, 実用的な樹脂では両者のオキシメチレン基はn=2までが存在していることが判明した。