熱硬化性樹脂
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フェノールジアルコール (続報)
合成樹脂化学史ノート(第21報)
鶴田 四郎
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1985 年 6 巻 1 号 p. 39-51

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抄録
F. S. Granger (1937) によって開始されたクレゾールジアルコールの加熱減量の測定は, A. Zinke. H. v. Eulerら (1939~1942) によって勢力的に進められ, フェノール樹脂の研究に大きな寄与をした。本報では引き続きH. Kämmererのクレゾールジアルコール (1952) とトリメチロールフェノール (1960) の加熱減量測定に関する研究を紹介するが, 彼ははじめて減量測定の再現性を吟味しこの研究方法の特殊性を明かにしたのである。次いでH. S. Lilley, D. W. J. Osmond (1947), H. F. Müller, I. Müller (1951) らのメチロール基とエーテル結合の定量実験の紹介をし, 最後に硬化実験では加熱温度の選択が最重要だという本報の結論からLilley (1948) の硬化理論を批判した。
前報ではF. S. Granger, F. Hanusらのフェノールジアルコールの合成と加熱減量測定に関する実験について述べた。本報では引き続きフェノールジアルコールを中心にメチロール基とその加熱によって生じるジベンジルエーテル結合 (以下エーテル結合と略す) の性質を追求する。
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