熱硬化性樹脂
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N-置換アクリルアミド重合体及びそのゲルの感温性
伊藤 博新田 敦彦
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1986 年 7 巻 2 号 p. 80-86

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抄録

N-置換アクリルアミド重合体のうち, 特定の置換構造の重合体は水媒体中で温度によりその溶解性が変化する。具体的現象としては, (i) その重合体水溶液を加温してゆくと, 特定の温度で水溶液は白濁する。
(ii) その重合体ゲルは水中で加温により水を放出して収縮し, 冷却により水を吸収して膨潤するという熱可逆的膨潤/収縮現象を示す。
それらの現象について, ポリマー鎖の水和構造の温度による変化として捉え, 水和構造モデルとして, 下記の二層構造モデルを提案する。
・内部水和層 : ポリマー鎖のアミド基の酸素原子を水素結合点として, 比較的強い力で直接ポリマー鎖に結合しているハードな水和層。
・外部水和層 : 水溶液中の水分子と容易に交換可能であり, ハードな水和層のまわりに比較的弱い力で結合しているソフトな水和層。

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