抄録
導電性接着剤を用いたICの組立工程におけるワイヤボンディングの接着不良の発生原因について調べた。
導電性接着剤の硬化温度を300℃, 330℃, 350℃の3種類に変えて実験を行ったところ, 硬化温度が高いほど発生するガスの量は多いにもかかわらず, ワイヤボンディング不良率は逆に小さくなった。そこでワイヤボンディング不良を引き起す原因の一つとしてチップ表面へのガスの凝縮付着が考えられるが, 硬化温度が高いほどチップ表面も高温になっているため付着したガスが再び蒸発し易く, 最終的には高温硬化ほどガスの付着が少なくなり, ワイヤボンディング不良率が小さくなったものと推定した。一方硬化剤であるジシアンジアミドの配合量が多いほど硬化過程で発生するアンモニアの量が多く, かつワイヤボンディング不良率が大きかった。そこでワイヤボンディング不良を引き起すもう一つの原因は, ジシアンジアミドが分解して発生すると思われるアンモニアがアルミパット部を腐食変質させてしまうことによると推定した。