Supplement of Association of Next Generation Scientists Seminar in The Japanese Pharmacologigal Society
Online ISSN : 2436-7567
2022 Sapporo
Session ID : 2022.1_AG-1
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[title in Japanese]
*Miwa Hideki
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統合失調症は、陽性症状・陰性症状・認知機能障害などの多様な臨床症状を呈する精神疾患であるが、神経生物学的には単一の疾患ではなく、複数の神経回路異常病態が併存する「統合失調症スぺクトラム」であり、患者ごとに異なる症状や臨床経過あるいは治療反応性を示していると考えられている。また、統合失調症の主訴である幻覚や妄想などの精神症状は「ヒト特有の病理現象である」という考えが一般的であり、健常人あるいは患者を対象とした脳画像研究が数多くなされているものの、マウスなど実験動物を用いた細胞・神経回路レベルでの研究とのギャップがあり、限界があるとも考えられてきた。たとえば、実験動物をもちいた精神疾患研究では、精神疾患患者と類似の行動を示すという指標(表面妥当性)に基づき、疾患モデルを評価することが多いが、一見ヒトと似たように見えるマウスの行動が、実際にヒトの行動とどれだけ対応するのかは不明であり、その検証も困難である。このような背景のもと、われわれはマウスなどの実験動物と臨床研究との橋渡しをする双方向トランスレーショナル研究の一助となる神経生理学的指標として、ガンマ帯域オシレーションおよびノンレム睡眠スピンドル波に着目し、疾患横断的な共通病態の解明を目指している。本研究では統合失調症のGABA仮説(Lewis DA & Gonzalez-Burgos G, 2006)に基づいて作成した パルブアルブミン(PV)ニューロン特異的にGABA合成酵素GAD67遺伝子を欠損させたPVニューロン特異的遺伝子欠損マウス(PV-GAD67 KOマウス)およびアデノ随伴ウイルスを用いた視床網様核特異的GAD67欠損マウスを用いて、ガンマ帯域オシレーションとスピンドル波に関する病態解析およびその妥当性を検証する。

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