抄録
水平加熱円板上に形成される空気の自然対流境界層の伝熱流動特性を実験により調べた.加熱円板中心近くの現象に注視した.直径300mmのアルミニウム板を等温加熱(200度)し,その上部で,冷線計測とPIV計測とを行った.そして,二層構造の存在を暴いた.下層では,軸方向より半径方向への変動風生成が活発化し,同時に低温流体塊の流れ込みが間欠的に発生した.その特性はRayleigh-Benard対流との類似性を有した.一方,上層では,軸方向変動風速の値が大きくなった.この変動が,蛇行や連行など大規模な流体運動に起因することを突き止めた.