観光情報源としてインターネットが用いられるようになって久しい。しかし、急激な情報爆発の影響を受け、 情報の発信者と受信者との間にミスマッチが生じることも多い。本稿では、まず情報検索の観点からその解決 を図るために、図書館情報学の手法を用いたシソーラスの構築を試みる。この観光に特化した言語シソーラス を構築することによって、名詞を中心とした語の同概念の異表記・言い換え表現についての検索漏れは、理論 上防げることを示す。 次に情報検索から言説分析へ視野を広げ、各ビジターが持つ文化の違いが訪問先の都市の記述にどのような 差異をもたらすかについて、シソーラス構築過程で用いたテキストマイニングの手法を用いながら分析した。 具体的には日本及び欧米圏のそれぞれの観光ブログのテキスト情報を抽出し、原文を最小単位である単語にま で分解した上で、言語的な計量分析を行った。最終的にはマイニングより得られた結果から、ビジターごとの 興味や関心を検証し、今後の観光マーケティングへの応用の可能性についても言及している。