日本観光学会誌
Online ISSN : 2436-7133
Print ISSN : 1341-8270
日帰り温泉利用者の特性分析―温泉旅館の日帰り利用者データに基づいて―
岩橋 伸行
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 54 巻 p. 11-20

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抄録

近年、手軽に温泉を楽しめる日帰り温泉施設が増加しており、温泉施設の増加経緯や経済的背景などについ て先行研究がなされている。しかし、管見によると日帰り温泉利用者の特性(属性・消費行動)に関する先行 研究はあまり見受けられない。本稿では、温泉観光地の振興に寄与しうる温泉旅館の日帰り温泉プランについ て、インターネット予約サイトの申込データをもとに、どのような利用者がどのような目途で利用しているの か、その属性(年代・性別)を検証し、主要な利用者について消費行動(商品内容・商品単価・同行者数)を 考察した。 考察の結果、日帰り温泉利用者の属性は国内宿泊観光旅行の傾向とは異なり、シニア層の利用者が少なく、 家族層および若年層女性の利用者が中心になっていることが判明した。また、その消費行動から利用者が温泉 入浴だけを楽しむのではなく、旅館ならではの食事・客室利用も楽しむ“プチ温泉旅行”として、日帰り温泉 を利用していることが検証できた。

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© 2013 日本観光学会
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