日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
技術論文
表面実装対応ビフェニルエポキシ封止材の研究開発
本田 史郎田中 正幸澤村 泰司徳永 淳人萱場 啓司
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2001 年 2001 巻 9 号 p. 523-532

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抄録

 半導体の高密度実装に不可欠な表面実装型パッケージ用途の封止材料として,優れた信頼性を保証するビフェニル型エポキシ樹脂封止材料を1989年に開発,製品化した.ビフェニル型エポキシ樹脂を使用することで,従来のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に比較して高温での破壊じん性が大幅に向上した.加えて,微細球状シリカを配合することでシリカを高充填化し,吸水率を低下させて,表面実装の課題であった封止材の耐リフロー信頼性を大幅に向上できた.
 また,環境保全の課題に早くから取り組み,難燃剤無添加の非ハロゲン難燃封止材を,1995年に開発,製品化した.ビフェニルエポキシ封止材を基に,球状シリカを高充填することで可燃性樹脂成分を減少させ,エポキシ樹脂成分中の芳香族比率を高めることで難燃性を向上させた.難燃剤無添加でUL94,V-0の要件を達成し,加えて高温信頼性,耐湿信頼性や耐リフロー信頼性もさらに向上できた.

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© 2001 The Chemical Society of Japan
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