工業化学雑誌
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低乾クレゾール1号の自然着色
山田 慶照
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1957 年 60 巻 5 号 p. 591-594

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抄録

低乾クレゾール1 号は自然着色著しく, また異臭を有す。
低乾クレゾール1 号は1.350 vol% の不純物を含有している。この不純物が製品の品質低下の原因をなすと思われるから,不純物を究明し,その除去法を製造過程に応用し,製品の品質向上をはかることを目的として,この実験を行った。
タール酸品質低下の原因として, 今日まで安息香酸, インデン, 酢酸, ギ酸, ピロール, カテコール等色々の不純物があげられている。
低乾クレゾール1 号中にも, その自然着色, 異臭の原因をなす不純物として, これらの存在が予想される。これらはいずれも低乾クレゾール1 号については, 低沸点留分, 高沸点留分中に, また不純物は塩基性油, 中性油, 強酸性油中に存在するものと思われる。
本報告は低乾クレゾール1 号の品質低下の原因をなす不純物, 特に自然着色に影響をおよぼす不純物が, 果して予想されるとおり,低沸点留分,高沸点留分中に,また塩基性油,中性油,強酸性油中に存在するかを知るために行った実験である。
その結果, 予想どおりの結果をえたので, 低乾クレゾール1 号の低沸点留分, 高沸点留分中の不純物をしらべ, 2-,3-,4-メチルピリジン,2,3-,2,4-,2,6-ジメチルピリジン,o-オキシベンズアルデヒド,ベンズアルデヒド,4-メチルシクロヘキサノン, アセトフェノン, ナフタリン, n- 酪酸, n- 吉草酸, カテコール等の存在を確認した。

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