工業化学雑誌
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マレイン化オレイン酸誘導体のサビ止め効果
和田 信明滋野 吉広島田 昌治中川 茂
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1957 年 60 巻 8 号 p. 1042-1044

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抄録

マレイン化オレイン酸誘導体の化学構造とサビ止め効果との関連性を明らかにするため,純粋なマレイン酸付加物8種を合成し,それらのサビ止め添加剤としての効果を試験した結果,付加物のカルボキシル基が遊離酸の形の場合が最もすぐれ,酸無水物の形となると効果がやや低下し,カルボキシル基をエステル化するとエステルの数が増すほど効果が悪くなり,全部エステル化した場合には全く効果が認められなかった。文献によればマレイン酸付加物は優秀なサビ止め添加剤であると述べられているが,効果のすぐれた遊離カルボン酸型のものは添加濃度を高くするとかえって添加剤自身が金属を侵すため,これを実際に使用する場合には使用濃度に注意を要する。

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