工業化学雑誌
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石灰窒素,焼成リン肥,カリ塩による粒状複合肥料の研究
永井 彰一郎藤谷 淳一木野 達徳竹 久治白崎 俊孝
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1958 年 61 巻 9 号 p. 1128-1131

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抄録
石灰窒素, 焼成リン肥, カリ塩による複合肥料の粒状化に関して貯蔵中の窒素損失, ジシアンジアミド(Dd) 生成の抑制という点を中心にリン酸分のク溶率その他の有効成分の変化の検討を行い,更にマグネシア分の補給を目的として二,三の実験を行った。
この結果,石窒-焼リン-塩加系ではDd-Nの増加はCa(NO3)2を成粒剤として便用した場合に抑制作用が見られるが,十分ではない。しかしHNO3 を用いることによりDdの生成は1 2 週貯蔵後も0.6%で極く少なく, 最もよい結果がえられた。なおリン酸分およびカリ分の不溶化は起らないことを認めた。
次に石窒-焼リンー硫加系ではDd-Nの生成は塩化カリ配合物とは著しく異なり, 12週後には6~7%にまで達した。
更に石窒一焼リンー塩加系にマグネシア分補給の目的で水酸化マグネシウム( 水マグ) , あるいはマグネシアを添加した実験を行った。水マグ使用の場合MgCl2 溶液を成粒剤として用いた時の効果は少ないが, 一方MgO-MgCl2系ではDd-Nの生成も少なく好結果がえられた。
これはマグネシアセメントと同様mMgO・MgCl2 ・nH2Oのようなマグネシウムオキシクロリドを生ずることによってF-H2Oが固定されるためであると考えられる。またリン酸分およびマグネシア分の変化が起らないことを確認した。
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