工業化学雑誌
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塩化ベンジルおよびα-クロルメチルナフタリンの加水分解
山下 雄也島村 恒夫
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1958 年 61 巻 9 号 p. 1185-1189

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抄録

塩化ベンジルおよびα-クロルメチルナフタリンの加水分解の時間的経過を調べ,アルカリ性または酸性で反応が早いことを認め, 次に最高の収率をうる条件を検討し, 希アルカリを用いて, 75~80%の収率を得た。アルカリ濃度が高いと副生エーテルが著しく増すが,クロルメチルナフタリンでは最適条件でも17%のエーテルを副生する。更にベンジルアルコールおよびナフチルカルビノールが酸性またはアルカリ性でエーテル化し易く,生成エーテルは塩酸または無水酢酸と酸性触媒により塩化物または酢酸エステルに開裂されることを確かめた。塩化ベンジル, クロルメチルキシレン, クロルメチルナフタリンの加水分解はこの順にエーテルの副生が多くなり,また生成エーテルはこの順に開裂され易くなる。

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