工業化学雑誌
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フミン酸アルカリ溶液の可視部吸収スペクトル
山川 敏雄本田 英昌
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1960 年 63 巻 12 号 p. 2156-2159

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抄録

フミン酸の特徴の一つであり, またその定量に比色法として利用されているアルカリ溶液における赤褐色ないし黒褐色の着色について検討を加え,化学的構造との関連を明らかにし,比色定量法の根拠を確かめるためフミン酸類の320~1000mμ領域の吸収スペクトルを測定した。その結果1)フミン酸アルカリ溶液の吸収は短波長側で大きく,長波長側で順次小さくなるほぼなだらかな曲線で示され,特徴的な吸収は認められない。2)同一条件で得た数種の再生フミン酸では,石炭化度の進んだ石炭から得られたものが,若い石炭からのものにくらべ吸収が大きく,特に長波長側でその差が著しい。3)アルカリ濃度の増加はフミン酸の吸収を深色的,濃色的に変化させる,ことなどが明らかにされた。また比色法適用に際しての諸条件,限界などについて知見が得られた。

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