1960 年 63 巻 12 号 p. 2191-2194
ビスコース中のセルロース濃度と重合度とが, 再生セルロースの微細組織形成にあたって, どのような役割を演ずるかについて,いわゆるモデルフィラメントを使用して凝固,再生,延伸を分離して検討した結果,次のような結論を得た。
(1)結晶化度,結晶粒子の大きさ,アクセシビリティーなどにはほとんど相違が見られない。
(2)再生直後のセルロースゲルの膨潤度はセルロース濃度および重合度の増大とともに減少する。このことは非晶部分のからみあいの増加によると考えられる。
(3)延伸による配向度の増加はセルロース濃度,重合度の高いものの方が大きい。
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