工業化学雑誌
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リグニンスルホン酸塩の沈降および粘度測定
京極 与寿郎小岸 徳也八浜 義和
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1960 年 63 巻 12 号 p. 2198-2200

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抄録

リグニンスルホン酸の分別物をナトリウム塩の形として沈降定数および粘度の測定を行なった。沈降定数の値は水溶液に食塩を添加するにともなって上昇し,Svedbergの“primary charge effect”を示すが,0.2M食塩濃度以上では大体一定となる。水溶液の粘度は濃度の低下とともに上昇し,ある濃度で極大となって後減少する。この異常現象は食塩の添加によって消失し,粘度の値は低下するが,食塩濃度0.2M以上では一定となる。これらはいずれも典型的な高分子電解質の挙動であって,食塩添加によって,無極性高分子と同様の挙動を示すことがわかる。最高分子量の区分について0.5M食塩水溶液,20℃で求めた沈降定数(無限希釈),極限粘度数および部分比容積はそれぞれ3.91,0.062,0.67であり,Mandelkern-Floryの式で分子量を計算すれば43,900となる。

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