工業化学雑誌
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ポリアクリロニトリル糸のコンゴーレッド染色による二色性発現ならびに配列度定量への応用
岡島 三郎久保 輝雄
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1960 年 63 巻 3 号 p. 525-528

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抄録

分子量78000のアクリロニトリルのストレートポリマーを,70%硝酸に溶解して湿式紡糸した。この繊維は未乾燥状態では直接染料で容易に,濃色に染色出来ることと,コンゴーレッドを用いて発現した二色性からこの繊維の配列度が定量出来ることを発見したので,これを用いて延伸-配列を定量的に検討した。
55℃以下の温湯浴または40%硝酸浴(常温)にて延伸した時,5倍以下の低延伸倍率では両者とも同じ傾向で配列する。またこの時延伸糸を乾燥前に伸長を弛めると収縮し,これによる配列度の低下はかなり大きい。更に高配列度の繊維を得るために2段延伸を行なう場合,第2段の延伸時の膨潤度が同じであれば,延伸による配列効果は第1延伸過程の条件には無関係で,第2延伸条件のみによって決まる。

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