工業化学雑誌
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微粉炭層の構造的性状と透過性
手島 精一山形 吉男太刀川 正一郎
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1960 年 63 巻 8 号 p. 1282-1287

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抄録

均質な微粉炭の粒度別試料について,空気および水の透過試験を行ない,Kozenyの透過式の適用について検討した。透過性に関する重要な要素は,粒子の表面積,粒径,空隙などの構造的性質のほかに流体が通過する際の圧力傾斜がある。Kozeny式は空隙の大きさに基いた流れの理論として知られ,一定の大きさをもたない空隙を有する充填層に対し,その表面積を計算することができる。一方Darcyの透過式とKozeny式を組合せ,壁,空隙率,粒径に関する影響関数とKozeny定数との関係が得られる。空気の透過試験ではこれらの理論は微粉炭層の構造的性状によくあてはまった。しかし水の透過試験の場合は空隙構造が全く同様な微粉炭層に対しても空気と同様にとりあつかうことができない。そこで水の透過に対して有効な比表面積あるいは有効空隙率を考慮して検討した結果,Kozeny定数は8~11を得た。また透過率,粒径,抵抗係数,レイノルズ数および種々の影響関数を考慮して,水に対する非流動体部分が全空隙量の20~30%を占めることがわかった。

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