工業化学雑誌
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重縮合による6,4-ポリウレタンの合成
西出 元彦小野寺 典雄世良 光孝
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1960 年 63 巻 8 号 p. 1464-1467

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抄録

6,4-ポリウレタンをプラスチック材料,塗料として使用する場合は,重合度の均一性よりも合成法を簡単にすることが有利であると考え,ヘキサメチレンジアミンと1,4-ブタンジオール・ビスクロル炭酸エステルとの重縮合反応について検討した。ジアミン塩酸塩( またはジアミン) は水溶液, ビスクロル炭酸エステルはトルエン溶液とし, 両者を乳化剤の存在ではげしくかきまぜ,0℃でアルカリを滴下して重縮合を行なった。その結果,縮合剤のカセイソーダ量が極限粘度[η]に最も影響を与え,その量を多くするに伴ない[η]は大きくなった。また界面における反応であるため,かきまぜを効果的に行ない,アルカリ滴下後十分加温処理して[η]の大きいポリウレタンを容易に得た。なお原料のジアミンを塩酸塩の形で使用した場合とそのまま用いた場合を比較すると,後者では製品の均一性についてやや劣るが,[η]は更に大きくなった。

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