工業化学雑誌
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ポリスチレンヨードソアセテートの合成と反応
大河 原信水田 耕嗣
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1961 年 64 巻 1 号 p. 232-235

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抄録
ニトロベンゼン中I2-I2O5-H2SO4法によりポリスチレンをヨードソポリスチレン(PJ)に変えた。PJは室温で20時間,過酢酸で処理すると-I(OAc)2基を含む新しいポリスチレン誘導体(PJA)になる。PJAは酢酸以外のほとんどの有機溶剤に不溶だがKIを定量的に酸化する。その力価とI含有率からPJ→PJAの反応率はほぼ100%であることがわかった。また赤外スペクトルは-I,-I(OAc)2基ともにフェニル核のp-位にあることを示す。PJAは高分子酸化剤として働らき,アゾベンゼン,ピナコール類を酸化する。PJAとベンズピナコールの酢酸中の反応で,見かけの2次反応速度定数k2(l・mol-1 ・sec-1,70℃)は3.0×10-2で, フェニルヨードソアセテートの場合の2.2×10-2に似ているが,反応の進行とともに急増する傾向にある。
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