工業化学雑誌
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Mng-雲母の合成
大門 信利諏訪 兼位山本 金平
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1961 年 64 巻 11 号 p. 1906-1908

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抄録

フッ素金雲母F2KMg3(AlS3O10)中の八面体配位をしているマグネシウムの一部を,マンガンでおきかえたMn-雲母の合成は,先報にて報告した。一般にマンガンは鉱物中では八面体配位をしているが,スピネル(MnAl2O4)中では正四面体配位をしている。したがってフッ素雲母中の正四面体配位をしているアルミニウムを,マンガンでおきかえうる可能性がある。当研究では,Mng-雲母F2KMg3(Mn0.5Si3.5O10)を合成しようとした。0.5K2SiF6,3MgO, 0.5MnC2O4,3SiO2なる混合物を1280℃にて溶融し,冷却して雲母を得た。得たものの化学式は(F1.96O0.04)K0.95Mg3.07(Mn0.29Al0.38Si3.30O10.00)であった。これにより雲母中でも,またマンガンは正四面体配位をとりうることを知った。次に,このものの物理的性質を示す。屈折率α=1.520,β=1.547,γ=1.548,光軸角2V=0~9°,多色性X=青味の強い黄色,Y=X=無色,色は暗緑色,透電率6,力率6.5×10-3(5Mc)。(800~400)mμの範囲内で吸光係数を測定した。

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