抄録
陽イオンポリソープ( ポリ-α-ピニル-β-エチルピリジンの窒素の29.3%を臭化ドデシルで,36.0%を臭化エチルで4級化したもの)と数種の非イオン活性剤(ポリオキシエチレン系化合物)との混合溶液の諸性質が検討された。
混合物の還元粘度は親油性非イオン活性剤が加えられた時はその含量の増大と共に著しく増大する。これに反し親水性非イオン活性剤を加えた時は粘度の値自体は大きく変化はしないが複雑な曲線を示した。混合物の表面張力は非イオン活性剤のそれとほぼ一致するが,非イオン活性剤のみの場合にくらべて高濃度で高い値を示す。陽イオン活性剤混合物の場合と異なり表面張力の時間経過による変化はほとんど変わらなかった。浸透力,可溶化力にあっては親水性化合物が加えられた時に相乗効果がみられた。乳化力,起泡性は各成分の平均を示した。