1964 年 67 巻 10 号 p. 1634-1638
糊料の流動をψ~P,あるいはlogV~log(P-Py)でプロットする場合に得られる直線には,不連続的な屈折が見られる。この不連続点の性質を列挙すると,(1)濃度を変えても,そのときのズリ速度は変化しない。(2)温度を変えても,そのときの流動度は変化しない。(3)試料をアルカリ性にすると,屈折点前後の直線の勾配の変化の仕方が変化する。(4)会合ミセルを生じ易い条件で調製した試料のみ,明瞭な不連続点を示す。(5)(3)の現象はpHによるチキソトロピー~ 逆チキソトロピー変化と完全に対応している。などである。このような現象の起因として, 糊料における会合粒子の流動下におる粘弾性的なズリ破壊が考えられる。このことに関し,会合粒子に対し,Maxwellモデルの粘性要素をEyring粘性で置き換えたレオロジーモデルを仮定して,前記(1),(2)の現象を矛盾なく説明できた。
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