工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
糊料の流動図表にあらわれる不連続点
黒岩 城雄中村 亦夫
著者情報
ジャーナル フリー

1964 年 67 巻 10 号 p. 1634-1638

詳細
抄録

糊料の流動をψ~P,あるいはlogV~log(P-Py)でプロットする場合に得られる直線には,不連続的な屈折が見られる。この不連続点の性質を列挙すると,(1)濃度を変えても,そのときのズリ速度は変化しない。(2)温度を変えても,そのときの流動度は変化しない。(3)試料をアルカリ性にすると,屈折点前後の直線の勾配の変化の仕方が変化する。(4)会合ミセルを生じ易い条件で調製した試料のみ,明瞭な不連続点を示す。(5)(3)の現象はpHによるチキソトロピー~ 逆チキソトロピー変化と完全に対応している。などである。このような現象の起因として, 糊料における会合粒子の流動下におる粘弾性的なズリ破壊が考えられる。このことに関し,会合粒子に対し,Maxwellモデルの粘性要素をEyring粘性で置き換えたレオロジーモデルを仮定して,前記(1),(2)の現象を矛盾なく説明できた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top