1965 年 68 巻 5 号 p. 808-811
4-置換2,6-キシレノール類, 3-(4-)置換フェノール類およびo-クレゾールの水酸基の基準伸縮振動の吸収極大(νmax),積分吸収強度(A)および半値幅(Δ ν1/2)を求めた。νmaxをHammettσ値に対してプロットすると, 4-置換2,6-キシレノール類および3-(4-)置換フェノール類についてそれぞれ直線関係が得られ,2本の直線は平行であった。また,AとHammettσ 値の間にも,平行な直線関係が認められた。これらの結果から,(1)2,6-キシレノールのO-H結合はベンゼン環と同一平面内にあること,(2)o-クレゾールのシス体および2,6-キシレノールの水酸基に及ぼすメチル基の立体効果が単なる立体反撥だけでなくて, 溶媒効果をも含めた立体効果であることが示唆された。
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