工業化学雑誌
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高分子-界面活性剤によるカオリン懸濁粒子の凝集
荒井 明彦重弘 文子丸田 巌
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1965 年 68 巻 6 号 p. 1090-1094

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抄録

水に不溶性の高分子は濃厚な界面活性剤水溶液中で溶解する。これは高分子に界面活性剤が吸着し,錯合体を形成するためである。
この錯合体を一種の高分子電解質と見なし,カオリン懸濁粒子への凝集作用を検討した。高分子-界面活性剤水溶液は凝集作用を示した。その効果は高分子としてポリビニルホルマール>ポリビニルアセテート>ポリビニルブチラールの順に大きく,活性剤としてオレイン酸ナトリウム>ドデシル硫酸ナトリウム>プロピルナフタリンスルホン酸ナトリウム>ブチルナフタリンスルホン酸ナトリウムの順に大きかった。
高分子の分子量による影響は比較的少なく,またpH3~6までほとんど影響されなかった。一方,無機電解質の添加の影響は大きかった。高分子,界面活性剤の錯合体を一種の高分子電解質と見なし,高分子電解質と同じ機構によって凝集することを推定した。

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