工業化学雑誌
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ビニルスルホン酸ナトリウムの重合および共重合
坂口 嘉平長瀬 邦彦
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1966 年 69 巻 6 号 p. 1204-1207

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抄録
スルホン酸基を含む水溶性高分子の合成と応用を目的として,ビニルスルホン酸ナトリウムの重合性,ならびに各種ビニル単量体およびマレイン酸ナトリウムとの共重合性を検討した。反応溶媒としては水または水/メタノール系を選び,過硫酸アンモニウムまたは過酸化水素を用いて重合した。ビニルスルホン酸ナトリウムの単独重合では,高分子量の重合体が得られにくいが,アクリルアミド,アクリル酸またはメタクリル酸のように,高分子量の重合体が得られやすい単量体と共重合することによって,高分子量の共重合体が得られた。その反対にN-ビニルピロリドン,アクリル酸ナトリウム,酢酸ビニルなど比較的低分子量の重合体が得られやすい単量体と共重合すると,低分子量の共重合体が得られた。またアクリロニトリル,マレイン酸ナトリウムとも共重合するが重合収率がわるい。一般に,ビニルスルホン酸ナトリウムの仕込モル分率が増大するほど,得られた共重合体の分子量は低下する。また共重合性はQがビニルスルホン酸ナトリウムの値(Q=0.048)に近く,しかも極性因子(e)もビニルスルホン酸ナトリウムの値(e=0.51)と差の大きい単量体ほど良好である。
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