工業化学雑誌
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硝酸アンモニウムの熱膨張と相転移
長谷 昌紀羽山 誠山添 昇清山 哲郎
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1967 年 70 巻 10 号 p. 1633-1637

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抄録

X線回折(粉末法)によって硝酸アンモニウムの各結晶相の安定領域および準安定領域における格子定数および熱膨張を測定した。各相の熱膨張の異方性は結晶構造における硝酸イオンの方位と強い関連性を示し,硝酸イオンの回転振動の寄与を考えると理解できる。各安定転移およびIV-II準安定転移は体積変化のとびを伴い1次転移である。一方V-II転移では格子定数(V相はII相の単位格子に対応する準単位格子を用いる)の不連続的変化は認められない。しかしc軸の熱膨張率は不連続的に変わることを明らかにしたので,比熱の測定結果も併せ考えるとV-II転移は2次転移である。実験結果にもとづき硝酸アンモニウムの相転移を水素結合の観点から考察した。

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