工業化学雑誌
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5-フルオルイソフタル酸とその誘導体
石川 延男菅原 駿吾渡辺 孝郎
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1968 年 71 巻 4 号 p. 519-522

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抄録
5-フルオルイソフタル酸ジメチル[1]をイソフタル酸からつぎの経路によって合成した。イソフタル酸→5-ニトロソフタル酸→5-ニトロイソフタル酸ジメチル→5-アミノイソフタル酸ジメチル→3,5-ジカルボメトキシフェニルジアゾニウムテトラフルオルボレート→[1]。このうちSchiemann反応はホウフッ化水素酸とジメチルホルムアミドの混液中でジアゾ化し, えられたジアゾニウム塩を沸騰キシレン中で分解させることにより収率よくおこなうことができた。
5-クロルイソフタル酸ジクロリドに対するハロゲン交換法もこころみたが,核置換塩素のフッ素への交換が困難なため不成功であった。
[1]を加水分解して5-フルオルイソフタル酸とし,その酸塩化物を経由してつぎの誘導体が容易に得られた。ジアミド,N,N'-ジメチル-,-ジエチル-,-ジ-n-プロピルァミド,ジアニリド,ジ-p-トルイジド,ジヒドラジド([1]より),およびジフェニルエステル。5-置換-イソフタル酸の酸性度をアルカリ滴定で求めた。置換基による酸の強度の順は,そのHammettのσm値の順と一致し,NO2>C1>F>H>NH2であった。
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