1968 年 71 巻 9 号 p. 1466-1470
未利用資源として多量に副生しているアルミニウム残灰を有効利用するための開発研究を行なった。
すなわち,適当量のアルミニウム残灰とセメントクリンカーとの硬化体を1200℃ 以上の高温で焼成することにより反応生成物はコランダムおよびスピネルをわずかに含有したメリライト(melilite)となり,同時に残灰中に共存する窒化アルミニウムの酸化により均質な多孔質化が行なわれることを明らかにした。
さらに,耐火断熱材の試製実験から焼成温度およびアルミニウム残灰とセメントクリンカーの配合比についての適正な条件を検索し,その結果にもとづいた製造条件により極めて優れた物性を有している並型の断熱煉瓦が得られた。また,別途耐火断熱材の圧縮強度の増大をきたすオリビンサンド,あるいは形状の安定化に有効なドロマイト,グネシアなど顕著な効果を示す添加剤を見い出した。
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