工業化学雑誌
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炭酸エチルアリルの光転位反応
朴 鐘震堤 繁桜井 洸
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1969 年 72 巻 1 号 p. 224-229

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抄録

炭酸エチルフェニル(以下EPCとする)を低圧水銀灯または高圧水銀灯によって光照射すると,サリチル酸エチル,p-オキシ安息香酸エチルおよびフェノールが,かなりよい収量でえられた。溶媒としては,酢酸およびエタノールが良好であった。一方,塩化アルミニウム,臭化アルミニウムおよび三フッ化ホゥ素エーテル化物などのルイス酸を用いたフリース転位型の反応は成功せず,単に分解反応がみられるのみであった。また,EPCのフェニル基に種々の置換基を有する炭酸エステルについても,光転位反応が試うみられた。置換基として,メトキシ(パラ位),メチル(パラ,メタおよびオルト),フェニル(パラ)およびアセチル(パラ)基などを有する炭酸エステルにおいては,光転位反応が認められたが,クロロ(パラ),ニトロ(メタおよびパラ)およびカルベトキシ(パラ)基などを置換基として有する炭酸エステルは,光照射によって認められうるほどに転位生成物を与えなかった。

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