工業化学雑誌
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流動化焼成法によるリン鉱石の脱フツ反応に関する基礎研究
畔上 統雄
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1969 年 72 巻 12 号 p. 2558-2565

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抄録

飼料用リン酸カルシウム剤を製造することを目的とした「流動化焼成法による脱フツリン酸三石灰の製造技術」が,新たに450T/Mの規模で開発されたので,この間の基礎研究について脱フツ反応機構の解析と,反応の最適条件に関する予備的検討結果を中心に,従来法に比較しながら第1報に纒める。
流動化焼成法によれば,従来のボートおよびロータリーキルンの焼成方式の結果と異なって,リン鉱石の脱フツ反応速度は水蒸気および酸素との気-固接触反応過程よりも,むしろリン鉱石の主要鉱物であるフッ素アパタイトの分解反応過程に律速段階があることが明らかになった。
この種の脱フツ反応を綜括的に促進するたあの条件としては,従来のアルカリ塩を添加した焼成リン肥製造プロセスに比べて,リン酸とシリカを配合する方法が優れた結果を得られる。
一般にリン鉱石100部に対して,リン酸7~12部,シリカ5~15部を配合し,1300℃,5%の水蒸気濃度のガスで,5~10分流動化焼成した結果,脱フツ反応率99%以上の良質な飼料用リン酸三石灰が得られた。

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