工業化学雑誌
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分散染料のペーパークロマトグラフィー
田尻 弘水
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1969 年 72 巻 4 号 p. 894-898

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抄録

分散染料を各種の溶剤を用いて展開して得られたRf値と染料および溶剤の化学構造との関係をしらべた。
Rf値としてlog(1-Rf)/Rfをとり,化学構造として分子屈折,凝集エネルギーおよび結合モーメントの諸物性値をとると,いずれの物性値ともかなり良い直線的関係が認められた。
アントラキノン型の染料では,分子屈折>結合モーメント>凝集エネルギーの順に相関係数が大で,アミノ酸をn-ブタノールで展開した場合と同じであった。
アゾ型の染料ではこれと逆に,凝集エネルギー>結合モーメント>分子屈折の順であった。
なおこれらの物性値は分子を構成する原子または結合についての値を単に合計して得られた値では関係がなく,C-CまたはC-Hにもとづく値を分母とし,他の原子または結合にもとづく値を分子とする比の値をとると関係があった。

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