工業化学雑誌
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ニッケルまたはコバルト系触媒による共役ジオレフィンとビニルモノマーの2元または3元2段共重合
案西 司朗早川 義紘伊良子 光一大西 章古川 淳二
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1969 年 72 巻 9 号 p. 2113-2122

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抄録
Ni系3成分触媒(前報)によるブタジエン(BD)のシス重合後,高温でビニルモノマーはほぼQ値の大きさの順位で重合するがメタクリル酸メチル(MMA),アクリロニトリル(AN)等は重合しにくく,活性点にモノマー選択性を認めたが,スチレン(ST)の存在下ではMMAまたはANの共重合が起こり,各3元共重合体が得られた。BD重合後の高温第2段ST~AN共重合において,共重合曲線,相対反応性比γ1(AN)=0.01±0.06,γ2(ST)=0.63±0.12はラジカル共重合のそれに一致し,全活性化エネルギーは10~11Kcal/molであり,広い高温領域でSTの重合速度はANのそれより大きいがCo系3成分触媒を用いるとANの重合速度の方が大きいことを認めた。またNiまたはCo系触媒によるBD重合後アクリル酸(AA)2元共重合,イソプレン(IP)重合後ST,AAまたはメタクリル酸(MAA)2元共重合,BD~IP共重合後ST,AAまたはMAA3元共重合,BD重合後ST~AAまたはMAA3元共重合,IP重合後ST~AN,~AAまたはMMA3元共重合において第2段重合を高温で行なうと,ほぼQ値の大きさに従う順位で重合が起こり,大部分の重合においてホモポリマーの生成を伴うことなく共重合し,種々の2元または3元2段共重合体が得られた。
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