工業化学雑誌
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ピロメリットイミド金属錯体の熱安定性
北条 舒正白井 汪芳鈴木 彰
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1970 年 73 巻 11 号 p. 2435-2440

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抄録

ピロメリットイミド金属錯体の生成を,pH2~10の範囲で,いろいろな温度(40℃,90℃,130℃),アニオンの種類を変えて行ない,これらの条件で配位子と金属の比を決定した。水銀はリガンドと1対1錯体を生成し,亜鉛(II)は1対2,そして銅(II)はpH,温度で1対1または1対2錯体を与える。これらの生成物の熱安定性を研究した。また,熱,酸,アルカリ処理によってPMDI金属錯体の熱的性質におよぼす効果を検討した。酢酸水銀から得られた金属錯体は,窒素気流中300℃,5時間処理,5Nの硝酸水溶液で処理することによって,硝酸水銀から得られた錯体とIRスペクトル,X線図が一致して,著しく熱安定性は向上した。PMDI金属錯体の熱分解温度,νc-oと金属自身の性質,イオン半径,電気陰性度,イオン化ポテンシャル,d電子の数との関係について考察した。

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