工業化学雑誌
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カルボキシメチルセルロースへのメタクリル酸メチルのグラフト重合
西内 豊道谷 昌隆
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1970 年 73 巻 12 号 p. 2699-2703

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抄録

硝酸セリウムアンモニウム塩を触媒に用いて,カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液中でメタクリル酸メチル(MMA)の重合を行ない,CMC-MMAグラフト共重合体の生成におよぼす重合条件の影響を検討し,さらにこの共重合体の二,三の性状を調べた。
(1)CMC濃度2%,硝酸0.119mol//l,重合温度50℃,重合時間2時間の条件で,全重合率,グラフト効率は触媒濃度の増加とともに増大し,単量体濃度(5~17%)の増加とともに低下する。重合温度(30~60℃)については,その増大とともに全重合率は増大するが,グラフト効率は低下する。硝酸濃度およびCMC濃度に関しては,全重合率,グラフト効率とも極大値をもつ曲線がえられた。
(2)生成グラフト重合体は熱水,ベンゼン,メタノールおよびアセトンにまったく不溶である。また水中でカチオン交換性を示す。
(3)同じセリウム塩触媒を用い,水中で粉末セルロース存在下でMMAを重合させた場合のグラフト率,グラフト効率は,一般にCMC水溶液中でのMMA重合の場合のこれらの値に比較して大きい。

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