工業化学雑誌
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有機イオウ化合物による銅の防食
膳 昭之助広岡 素子田中 良子厚東 伸佶
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1971 年 74 巻 12 号 p. 2437-2439

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抄録

ある種類のイオウ化合物として, 1-オキシピリジン-2-チオン, ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム, チオ尿素およびチオール類などを, 酸性浴中の銅の腐食抑制剤として用いた。これらはかなりの防食効果があり, その作用機構は従来の吸着説とは異なり, 銅表面に水に難溶性の対応する銅キレートの被膜が生成するためにその腐食が抑制されるとの結論を得た。すなわち, 銅表面から直接対応するキレートを抽出または採取し, 精製し, 別途合成した各対応する銅キレートと比較同定することができた。特に両者の比較に赤外線吸収スペクトルの結果を用い, また遠赤外領域の吸収から 386~342 および 281~205cm-1 におのおの ν(Cu-O) および ν(Cu-S) に基づくと推定できる吸収スペクトルを得ることができた。

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