工業化学雑誌
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沈殿濁度滴定法による塩素化ポリカーボネートの分子量分布に関する研究
関根 吉郎池田 幸治加藤 正二
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1971 年 74 巻 12 号 p. 2564-2570

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抄録

Morey-Tamblyn の沈殿濁度滴定法 (塩化メチレン-シクロヘキサン系) を用い, 前報で合成した塩素化ポリカーボネートの分子量分布について検討した。
検量線の作成には重合法の異なった二種類の共重合物 (TT-BB, TB-TB) と単独重合物 (TT-TT) の分別試料を用い, γ=k log c+f(M) から kM, kf(M) の関係を求めた。TT-BB : -k=O.0539 M-0.111(M 15000~100000), TT-TT:-k=3.652 k log M-0.498(M 10000~60000) となり k は Mによって変わる。濁度法と逐次分別沈殿法との比較, 等量混合物の検討はいずれもよい一致を示した。重合の経時変化から求めた分子量分布曲線は重合条件によって多峰性となるが, 条件の適切なものは計算から求めた Schulz-Zimm 型の分布曲線とよい一致を示し, 前報の検討結果が裏付けされた。最終時の重合体の分布曲線から算出した変動係数 δ=(Mz/Mw-1)1/2 は TT-BB:0.5~0.6,TB-TB:0.3となり重合法により差異が認められた。第二ビリアル係数は BPA からのポリカーボネートより小さい。

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