工業化学雑誌
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放射線前照射法によるポリエチレン-メタクリル酸メチルグラフト共重合におけるポリエチレンの比表面積の影響
和田 武須郷 高信武久 正昭
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1971 年 74 巻 3 号 p. 484-489

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抄録

ポリニチレンへの MMA の放射線気相グラフト重合を空気中前照射法にて行ない, グラフト電合におけるポリエチレンの比表面積の影響について検討した。比表面積の大きいポリエチレンほど MMA が吸着しやすいが, グラフト率は比表面積の大きい放射線重合ポリエチレン (比表面積 20m2/g 以上) では比表面積の増加につれて直線的に低下した。比表面積が 2m2/g 以下の高密度ポリエチレン (ショーレックス5030) では, グラフト率は比表面積とともに増加した。速度論的な検討の結果, 重合の開始反応に寄与するラジカル濃度は放射線重合ポリエチレソでは比表面積の大きいものほど小さく, ショーレックス5030ではさらに小さくなることがわかった。比表面積の大きさがラジカルの消失速度と開始反応の場の広さに影響を与えていると考えられる。

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