工業化学雑誌
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パラジウム塩一活性炭系触媒における活性点
藤元 薫高橋 肇根上 泰彦功刀 泰碩
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1971 年 74 巻 6 号 p. 1076-1080

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抄録

パラジウム塩と活性炭よりなるオレフィン酸化の触媒系についてその活性点に関して検討した。触媒は水素で還元することにより失活したが,反応条件下で塩化水素を添加することにより容易に活性を回復した。酸素を供給しないにもかかわらず担持した塩化パラジウムに対して4倍モル以上のアセトアルデヒドが生成したが,陰イオン(塩素イオン)も多量に流出した。周期的酸化還元反応により次の結果を得た。
1)酸素を反応系に供給すると触媒活性は急激に増大し,無酸素反応(還元反応)前の活性の70~80%に回復した。2)無酸素反応を行なった場合,低温で行なうと陰イオンの流出はきわめて少量であったが,活性の低下は高温の場合より著しかった。
これらの実験事実に基づいて陰イオン,パラジウム,活性炭等の作用について考察した。
活性炭上の表面酸化物はパラジウムの再酸化反応に対して積極的な役割を演じなかった。

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