工業化学雑誌
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エステル交換反応における金属化合物の触媒作用
依田 賢太郎
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1971 年 74 巻 7 号 p. 1476-1482

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抄録
ポリエステル合成反応における金属化合物の触媒作用を検討した。ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとのエステル交換反応の速度定数を種々の触媒について求めた。反応系への水, カルボン酸の添加はカルシウム (II), マンガン (II), 亜鉛 (II), コバルト (II), 鉛 (II) などの触媒では活性を著しく低下させたが, チタン (IV) および錫 (IV) 触媒には影響を与えない。金属ブトキシドと安息香酸エチルとの反応によって安息香酸ブチルが生成した。エステル交換反応速度定数と金属イオンの電気陰性度との間に存在する山型の関係は金属アルコキシドを活性種とする機構によって説明した。ビス-β-ヒドロキシエチルテレフタレートの重縮合を低温密閉系および高温減圧系で行ない, 金属化合物の触媒活性をジメチルテレフタレートとエチレングリコールとのエステル交換反応の場合と比較して考察した。
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