日本化學會誌
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蛋白に關する研究(第十一報)
異品種小麥中のGliadinに就て
近藤 金助林 常孟
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1929 年 50 巻 11 号 p. 647-653

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抄録

1. 私等は日本(北海道及兵庫縣)、滿洲、濠洲、北米合衆國及び加奈陀産の普通小麥(T. Vulgare)から同一方法に從つてGliadinを分離して其の窒素含量及び等電點を測定した。
2. 其の結果Gliadinは異品種小麥中にあつても常に同一性質のものであることを確め窒素含量は17.48%にて等電點はpaH 6.41-6.59であると決定した。
3. 異品種小麥の特性の差異は小麥蛋白の品質の差異に原因するのではなくして寧ろ所含蛋白の全量及び各種蛋白(Gliadin及びGluteninの外にGlobulin及びLeucosinをも含む)の混合比の差異に原因することを推量した。

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