日本化學會誌
Online ISSN : 2185-0909
Print ISSN : 0369-4208
グルコスルファターゼ(第十一報)
反應形式の研究(其の二)竝びに酵素濃度の表示方法に就て
左右田 徳郎江上 不二夫
著者情報
ジャーナル フリー

1934 年 55 巻 9 号 p. 914-927

詳細
抄録
グルコスルファターゼの酵素濃度を合理的に表示するに.現在の状境にては一次反應速度恒數を用ひ或はZeitwertとして示すことには困難あり.筆者等は反應速度曲線を近似的に表はす實驗式を設定しこれを基としてSubstratの濃度無限大に於ける速度を近似的に求め得ることを知りこれより酵素濃度を定めたり.此の如く實驗的に定めたる酵素濃度は亦理論的に誘導せる酵素濃度を表はす式により計算せるものと相當よく一致することを示したり.而もこの酵素濃度を求むるには唯一囘の速度曲線を實測すれば足り實行容易なり.
又速度曲線の形状に關する理論的考察を行ひ,且つそのS字型が如何なる場合に又如何なる酵素製品に於て起り易きかに就ての經驗竝に理論的考察を述べたり.
本研究に對し帝國學士院より學術研究費補助金を支給せられたり.謹んで謝意を表す.
著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top