日本化學會誌
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アリル或はプロペニル側鎖を有する環状化合體の常壓下に於ける水素添加に就て
木村 清三
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1935 年 56 巻 8 号 p. 984-990

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抄録

(1) イソサフロールの水素添加に於ては水素吸收速度は大體觸媒の量に比例せるも1g(原料の10%)の場合には吸收速度を減じ甚だ遲し.
(2) 水素添加温度に依る吸收速度の影響は30~50°に於て最も速く就中40°が最も適當と考へらる.70°に於ては何れの場合にも遲くなり80°に於ては曲線は殆ど横軸に平行し吸收され難し.
(3) 溶劑(エチルアルコール)の濃度に依る吸收速度の影響は殆ど無く70%以下の場合少しく遲くなるを認む.
(4) 著者の實驗範圍に於てはアリル側鎖もプロペニル側鎖も變り無く殆ど同程度の吸收速度を示せり.
本研究は當社專務取締役理學博士小野嘉七氏の御懇篤なる御指導の下に施行せるものにして茲に同氏に深く謝意を表す.尚實驗に熱心助力せられたる安齋繁氏に感謝す.

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