日本化學會誌
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炭水化物と重水間の同位元素交換反應に就て
原田 正夫
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1936 年 57 巻 5 号 p. 391-400

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抄録

1) 炭水化物と重水との交換反應は非常に速がで交換平衡は少くとも數秒程度で成立するものと思はれる.
2) 2%程度の重水を用ひて蒸溜によつて分離せる場合の見かけの分配係數として1.16を得た.
3) 蒸溜によつて分離せる場合の見かけの分配係數が眞の分配係數と如何程異なるかその程度を簡單な假定の下に計算によつて求めた.これは蒸溜の状况各成分のモル數,分配係數採取せる水の量によつて違つて來る.
4) 3) の考へから蒸溜によつて分離せる場合の見かけの分配係數は重水濃度の違で大きな影響を受る事を推定しHamill, Freudenberg兩氏の測定値と筆者の測定値との差がこの考への下に説明し得る事を明にした.
最後に御指導を賜はつた千谷博士に深く感謝する.尚ほ實驗費の一部は日本學術振興會並びに服部報公會の援助によるもので附記して感謝の意を表する次第である.

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