日本化學會誌
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肝油成分に關する研究(第一報)
眞梶木肝油の成分に就て
松田 住雄上野 誠一
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1941 年 62 巻 4 号 p. 281-285

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抄録

眞梶木肝油成分の大略を明かにするを得たり.即ち著者等の試料とせる眞梶木肝油は極めて多量の不鹸化物質(約20%)を含有せるのみならず不鹸化物質の大半(約65%に達す)はヴィタミンA様物質よりなる事は注目すべき事と思惟す.不鹸化物質中の殘餘は殆どコレンテリンより成り猶微量の炭化水素の存在を認めたり.脂肪酸成分はパルミチン酸,ステアリン酸等を著量に含有するのみならず,ベヘン酸及びアラキヂン酸と思はるるもの存在す.不飽和酸は主としてオレイン酸,ゾーマリン酸よりなりC22(F5)酸及びC20酸の高度不飽酸を含有す.又注目すべきは一般魚油,肝油等に比して著しく多量のC24一高度不飽和酸を含有する事なり.

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© The Chemical Society of Japan
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